GAMOYON Galleryでは今年最初の展覧会 "Drawing in my room3"を3月3日

から開催しています。


 江上さんは、これまで対象物と自分との間にある空間に「触れる」ように画面

に落とし込む制作方法を取られきました。そのため、大きなサイズでの作品が多

かったのですが、今回はその世界観はそのままに凝縮されたサイズに挑戦されて

います。


 小野さんは絵本のような物語性を感じさせる作風はそのままに、個展の時とは

また違ったアプローチの作品を展示していただいています。以前制作されたもの

で、次への展開が既に予定されている作品もあります。いつもながら表現の引き

出しの多さには驚かされるばかりです。


 西嶋さんは昨年の個展での"壺"シリーズから、ドローイングというテーマで作

った作品を展示していただいています。昨年は金魚に形取られた曖昧な存在だっ

た“壺”が輪郭がくっきりとし、近くで見ると複雑なレイヤーが美しい作品です。


 松本さんは今年10月にある当ギャラリーの個展へと繋がるドローイング作品を、

と考えてくださいました。板に付けられた存在感のある造形と「ALIEN」という

タイトルが次の展示へとどう繋がるのかワクワクさせられる作品です。


 野田さんは現在、長崎県で活動されています。昨年の個展同様、独特の世界を

魅せてくれています。DMにもあるタブローの作品の他、色鉛筆、パステル、水

彩と、さまざまな素材を使った彼女の日々を綴ったドローイングも見どころです。


 前回個展から沢山の展示を重ねてきた山﨑さんは、勢いは衰えず、新しい展開

を見せてくれています。山﨑スタイルの重なり入り組んだ画中画が、支持体を変

え、複雑なレイヤーで表現の幅が広がっています。今までの作品のそれぞれの関

連性を比較したZINE(小冊子)も限定10冊で販売致します。山﨑さんの複雑な絵の

取説のようで見応えがありますので、是非手に取っていただけたらと思います。


 寒い冬を抜け、明るい春の陽射しを感じる3月になりました。6人の作家による

ドローイング展を是非見に来ていただけると嬉しいです。よろしくお願い致しま

す。